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埼玉県寄居町にある鉢形城。日本百名城のひとつです。
元は山内上杉氏の拠点で対立する扇谷上杉氏に何度も攻められています。1494年には扇谷上杉氏&北条早雲のコンビで攻められたりもしています。(詳しくは司馬遼太郎の「箱根の坂」で描かれています)

1546年の河越夜戦で山内上杉氏・扇谷上杉氏の勢力が衰えると、1564年に北条氏邦がここを北条家の北関東支配の拠点としました。その後、信玄公や謙信公からも攻撃されますが、鉢形城の守りは固く、落とされることはありませんでした。それどころか信玄公に至っては鉢形城をスルーして小田原城に向かったりもしてます。

鉢形城1

そんな難攻不落の鉢形城ですが、1590年の豊臣秀吉の小田原攻めの際は前田利家、上杉景勝、真田昌幸、本多忠勝というスペシャルオールスター軍団50,000人に包囲され降伏しました。この時城兵は3,500人だったとか。どうでもいい情報ですが、「花の慶次」の第1話でも鉢形城が登場しています。 


自然の崖を活用した要塞のような構造



現在の鉢形城は公園として整備されていて、歴史博物館も併設されています。
鉢形城は北、東、南を荒川と深沢川にぐるりと囲まれていて、切り立った崖になっているのでまさに天然の要害。平城ですが、城内も堀と土塁の高低差が激しく、ものすごくダイナミックな構造です。

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この規模、この立地の要塞を攻め落とすのは不可能だったのではないかと感じます。小田原攻めの際も力攻めによって落城したわけではなく、1ヶ月に渡る籠城戦ののち、本多忠勝が牽いてきた大砲が打ち込まれ、降伏に至りました。


寄居町では今でも北条氏邦をしのぶお祭りが



ちなみに毎年5月に行われる「寄居北条祭り」では鎧武者たちによってこの時の場面が再現されるそうです。行ったことはないので、ネットで見る限りの情報ですが、前田利家、上杉景勝、真田昌幸、本多忠勝の軍勢と、北条氏邦率いる北条軍が荒川を挟んで大砲を打ち合い、最後は氏邦が降伏するというもの。

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地元の人たちから氏邦は大変リスペクトされているようで、このお祭りの主役も北条方です。だったら何で降伏シーンをクローズアップするのか不思議な感じもしますが、相手がオールスター軍団だからいいんでしょうね。誰が何役をやるのかで町内会でモメそう。。

鉢形城2

鉢形城を訪れたのは3月28日でしたが、桜がとてもきれいでした。現在は桜の名所にもなっているようです。

鉢形城の地図や寄居町周辺の観光情報はこちらから。

埼玉県寄居町の旅行ガイド(トリップアドバイザー)
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