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静岡県浜松市北区引佐町にある井伊谷城。井伊谷は「いいのや」と読み、南北朝時代から国人領主である井伊家が治める地域です。井伊家は井伊直政の時代に徳川家に仕えるため、井伊谷も三河のイメージだったのですが、ちょうど国ざかいながら遠江に位置します。

井伊谷城といえば、大河ドラマ「おんな城主直虎」の主人公・井伊直虎が城主を務めた作品の最重要スポットです。この記事は放映前に書いているため、実際に作中でどのように描かれるのかはわかりませんが、もちろん登場することは間違いないでしょう。

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2016年5月時点では現地に案内板やのぼりは設置されてはいますが、特に何かが復元されているわけではなく、オフィシャルな駐車場もないので、観光地としてはほぼ何も手が入っていない状態でした。

駐車していいのかわかりませんが、登城口付近にある引佐多目的研修センターに広い駐車場があったので車を停めさせてもらい、そこから本丸のある山頂までは徒歩15分ほど。舗装されていて足場はいいので、それほど大変な登山ではありませんが、山頂に特に何があるわけでもないので遺構を期待すると拍子抜けします。

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ただ、山頂から眺めると、井伊谷の名のとおり、山に囲まれた盆地になっているのがよくわかり、古来独立領主によって治められてきた雰囲気を感じることはできます。


南北朝時代から続く井伊家の歴史


井伊谷城がいつ築城されたのかは定かではありませんが、歴史の表舞台に登場するのは南北朝時代です。後醍醐天皇の皇子・宗良親王を井伊谷に迎えて、南朝方の拠点として井伊家は北朝方と戦ったそうです。

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一方駿河守護の今川家は足利家の一門で北朝方ということもあり、井伊家が今川家の支配下に置かれてからも何かと目の敵にされています。

最初の受難は1544年、井伊直政の祖父にあたる井伊直満が今川義元から謀反の疑いをかけられて自害させられます。

さらに1560年、井伊家の当主で直虎の父である井伊直盛が桶狭間の戦いで、今川義元とともに討ち死。義元の死亡により遠江は「遠州錯乱」と呼ばれる混乱状態に陥り、そんななか井伊直満の子で井伊直政の父である井伊直親が家督を継ぎます。

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しかし、1562年に義元の跡を継いだ今川氏真により松平元康との内通を疑われ、弁明のために駿府に向かう道中で、今川家重臣・朝比奈泰朝に攻撃され討ち死します。


おんな城主・井伊直虎が井伊家の家督継承


残された井伊直政はまだ2歳で、さらにまだ存命だった直政の曽祖父である井伊直平も、1563年に今川氏真の命による従軍中に死去。いよいよ一門から男系の後継者が途絶えたため、中継ぎとして桶狭間で討ち死した井伊直盛の娘・直虎が家督を継ぎ、直政は養子として育てられます。

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1568年には家臣に井伊谷城を奪われる事件が起きますが、徳川家康の援助により奪還。これを機に今川方から徳川方につきますが、翌1569年に武田信玄の駿河侵攻により今川家は滅亡。さらに1572年より始まった武田信玄の西上作戦では山県昌景に井伊谷城を奪われ、浜松城に退去します。翌1573年の三方ヶ原の戦いでも大敗を喫し滅亡寸前まで追い込まれますが、武田信玄の死去により九死に一生を得ました。

運にも助けられて生き延びた井伊家は1575年に井伊直政を徳川家康の小姓として出仕させ、異例の大出世を遂げることになります。この時直政を家康の元に送ったのが養母であり、井伊家の当主であった井伊直虎でした。

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直政を徳川家の家臣に押し上げた直虎の功績は評価されてよいとは思いますが、臣従した国人衆から小姓を取り立てるというのはごく一般的なことですし、果たしてそれだけで大河ドラマを1年間も続けられるのか甚だ不安です。おんな城主自体も岩村城や立花城など他にもなくもないですし、何と言っても登場人物に知名度がなさすぎます。。


あまりに地味すぎて2017年の大河ドラマが心配・・・


予想が裏切られることを期待しますが、普通に考えると主人公は単なる語り部として、桶狭間の戦いや今川家の滅亡、三方ヶ原の戦いなどが描かれるだけのような気がしてなりません。

それならまだしも最悪は直虎と直親のラブロマンスが展開されるパターンです。愛する直親の遺児、直政を自分の手で立派に育てたい!!みたいな文脈になったらワースト視聴率はほぼ確定ではないでしょうか。

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そもそも「花燃ゆ」にしても「八重の桜」にしても誰をターゲットにしているのかよくわかりません。男性の歴史ファンはまず見ないだろうし、女性でも歴女みたいな人は見ないだろうし、おそらくは歴史に興味がない主婦層を狙っているのでしょうが、だったら大河ドラマじゃなくて朝の連続テレビ小説でやればいいと思います。

大河ドラマなら、長宗我部元親や島津義弘、北条五代、大友宗麟など、まだまだネタはたくさんあると思います!

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井伊谷宮の旅行ガイド(トリップアドバイザー)
井伊谷と言えば1872年に井伊家が建てた井伊谷宮が有名です。南北朝時代に身を寄せた宗良親王が祀られています。

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